カナダで薬剤師になるまでに、たくさん英語を勉強した話

カナダの薬剤師試験について

外国で資格を取って仕事をするためには、それなりの英語力が必要というのは想像がつくと思います。ここでは私の実体験をもとに、英語力ゼロからどのようなプロセスをえてカナダで薬剤師試験に合格するまでに至ったのかを振り返って見たいと思います。

薬剤師のプロセスに関する記事も引き続き更新していきます。

英語力ゼロ〜初中級レベルになるまで

私は薬学部出身のため、大学ではほぼ英語の授業はしていませんでした。それでも大学生から英語に興味はあり、洋楽をよく聴いて、歌詞を調べて一緒に歌ったりしていました。

大学を卒業してからは、週に一回の英会話教室に通い始めました。

Novaに通っていましたが、最初のレベル分けでは中間くらい、趣味で英会話を始める人たちとなんら変わらないクラスに振り分けられました。

週に4回、半年ほど通った頃、少しずつ英語が楽しくなり始めて、ある時英会話教室の近くに外国人がたくさん通うバーを見つけました。

そこから英会話教室が終わった後はそのバーに行って外国人観光客や日本に住む外国人と和気あいあいお酒を飲むようになり、リスニング、スピーキング力が少し上がって、英会話のクラスも初中級くらいにレベルアップしました。

今思えば、この時期が一番英語の上達が実感できて楽しかったです。

英語力初中級〜中級レベルになるまで

さてその後、もう少し英語を勉強して見たいと思いカナダへの留学を決意しました。

留学といっても当時カナダで働く気はなかった上、英語とフランス語どちらも学んで見たいという興味からモントリオールに留学を決めました。

語学学校は半分はフランス語の授業、半分は英語の授業を5ヶ月ほど受講しました。

現地についてまず思ったのは、自分が思ったよりも英語ができていなかったということです。

特にリスニングは、学校の生徒以外と話す時ほぼ聞き取れずパニックでした。

そして結果ですが、約半年ほど語学学校で勉強すれば、英語力も上がるだろう、そう思っていましたが、英語力が飛躍的に上がったというよりは、IELTSなど英語の試験に関するストラテジーを学んだ、という感じで初中級レベルの英語力が中級くらいにマシになった程度で帰国しました。

決して英語から逃げた生活をしていたわけではなく、むしろ毎日英語漬けでしたがそれでもわずかな英語力の工場でした。

理由としては、学校で自分に割り当てられた課題は専門的なものではなく、環境問題、教育、文化など一般的なトピックであったこと、仕事をしていたわけではないので、日常英会話以上の英会話を使う機会がなかったためと考えています。

英語力中級〜上級レベルになるまで

さて、ここからが本当に大変だった時期です。

留学で思ったほど英語力は上がりませんでしたが、カナダで働きたいという夢はできました。なので帰国から約半年ほど、毎日IELTSの勉強をして薬剤師のプロセスに必要なAcademic IELTS overall 6.5を獲得しました。

この頃行なっていた勉強法は、単語帳を何度も繰り返し見る、IELTSの過去問を探し毎日リーディング、ライティング、リスニング、通勤中も英語のラジオを聴く、などでした。

留学期間から数えて、約1年かけて中級レベルの英語力を獲得したことになるかと思います。

この後カナダで薬剤師の実習を受けるわけですが、当然中級レベルの英会話では太刀打ちできず、とにかく毎日患者さんに話をしにいく、今後必要になる薬剤師の試験対策も同時に行い、オンライン授業を積極的に視聴してリスニング力をあげる、などできることにたくさん挑戦しました。

中でも圧倒的に英語力をあげてくれたのは、薬剤師の試験の一つ、OSCEの対策として友達どうし薬剤師と患者役に分かれてロールプレイを行う練習時間でした。

薬剤師役になったら自分主導でロールプレイを完結させなければならないので、自分の英語力をまざまざと実感させられます。そして運が良いことに練習パートナーになってくれた友達は、とても英語の上手な子でしたので、彼女の言い回しを真似して取り入れることでなんとか流暢さを取り付くよう方法を取得しました。

これらを約2年ほどかけてじっくり行った結果、無事カナダで薬剤師の登録に至りました。

英語勉強法について

英語を勉強する人であれば誰でも、なるべくお金をかけずに、すぐに英語力をあげたい、そう願うことと思います。

そのような方は、私の実体験から、以下の点を意識して勉強すると良いと思います。

  • 単語力は十分にあげられたか
  • 英語を話す練習時間は十分に取れているか
  • リスニング用教材ではなく、ネイティブの会話を聞く努力をしているか

ここからは、この3点についてもう少し見て行きたいと思います。

気づいてもらいたいこととしては、この3つの中に発音の練習は含まれていない、ということです。

発音記号を一から単語とともに学べたら良いのですが、時間が限られている場合はとにかく聞いたままを発音する、これを意識するだけでも英語の発音は改善します。読めない英語は聞いたまま発音し、その音に慣れて行く必要があります。英語をカタカナに直して読むことだけは絶対に避けましょう。

そしてのちに英会話をしていく中で、自分がうまく伝えられない単語が出てくることと思いますが、その際に都度その発音のクセを矯正すれば良いのです。

発音ばかりを考えていたら、言葉に詰まって英会話どころではありません。

単語力は十分にあげられたか

まず見落とされがちな単語力についてですが、全ての英会話、英語の試験において、単語力がなければその先に進めません。

モントリオールでフランス語をゼロから習った時、文法よりも先にまず教えられたのは簡単なフランス語の単語でした

それほどボキャブラリーは英語力の核心となってきます。

まずは英単語帳に、一つの単語3〜5秒程度を目安にどんどん目を通して行きます。途中で単語の使い方がピンとこないと感じた場合は、例文もいくつか確認して使う場面を想像して見ます。

この単語帳早見トレーニングを3周ほどする頃には、かなり単語力がついているはずです。

この基礎があれば、のちにリーディングの練習などで事前に知っていた単語を見かけた時、単語の勉強をしていたぼんやりとした記憶が蘇って、確実に自分の知っている単語となり、ゆくゆくは自分が会話の中で使えるようになります。

自分が英会話で使えるようになった=単語が自分に定着したと考えて良いかと思うので、インプット(単語の暗記)とともに積極的に英会話に新しい単語を取り入れる(アウトプット)を行い、できればネイティブに単語の使い方やニュアンスが正しいかフィードバックをもらうことで、どんどん失敗もして正しい単語の使い方を学びましょう。

英語を話す練習時間は十分に取れているか

結局のところ、英語力の最も早い上げ方は、英語を使うこと(アウトプット)に尽きます。

ネイティブ相手でもそうでなくても、とにかく英語を使うことで日本語から英語に翻訳をする脳のプロセスをなるべく省いて、反射的に英語が出てくるように英語脳を作ります。

しかし言わずもがな、日本にいて最も大変なのがこの過程です。

英会話教室、アプリ、外国人が集まるバーまで、とにかく英会話ができる場所に積極的に参加し、最悪自分一人でも英会話を独り言のように呟いたり、英語の映画や英語の動画の言い回しをシャドーイングして自分のものにする、という英会話学習者が何度もおすすめされてきた勉強方法をとにかく試して見るのが大切です。

リスニング用教材ではなく、ネイティブの会話を聞く努力をしているか

最後に絶対にお伝えしたいことが、リスニング用の教材は、聞き取りやすいようにできている!ということです。

実際のネイティブの会話はそれよりもずっと早くごちゃついています。

リスニング用の練習問題でどうにもリスニング力が伸びない、そう思ったら一度教材を離れて英語の映画や動画を英語字幕付きで見てください。

思ったよりも聞き取れないはずです。

聞き取れない原因が、英語が早すぎるためなのか、知らない単語があるせいなのか、その原因も追求して見ましょう。

映画全部を英語字幕、英語音声で全て聞き取ろうとするとかなりのストレスになるので、まずは3分程度の動画から初めて見るのも良いと思います。

可能であれば、アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語など同じ英語圏でもアクセントの違いに触れて、ものまねもして見ると楽しく英語力アップに繋がるのでおすすめです。

一通りネイティブのスピードに触れた後、もう一度リスニング教材に戻って見ると、かなり遅くはっきりと聞こえてくるはずです。

最後に

海外で仕事をするにあたって、日本生まれ日本育ち、大人になってから英語の勉強を始めた人たちにとって、英語が障害にならないわけがありません。

それでもできることに絶えず挑戦し、英語力をあげる努力を怠らないことが唯一の英語習得方法ではないかと感じます。

インプット(単語の暗記)と、それを上回るアウトプット時間(英会話)が英語力向上の鍵です。

ここまで見てくださってありがとうございました。

引き続き、薬剤師の試験のお話やカナダの医療事情、カナダのおすすめのカフェやレストランなど楽しいお話もしていけたらと思いますので、お付き合いお願いいたします:)

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